SGニュース 12月号

  ポータブルトイレ(簡易腰掛け便座を含む)の
 認定基準の解説(概要


 福祉用具製品の「ポータブルトイレの認定基準及び基準確認方法」は平成14年8月1日付けで
CPSA 0127として新たに制定し、また、「簡易腰掛け便座の認定基準及び基準確認方法」(旧:簡
易便器及び簡易腰掛け便座)は同日付けで改正しました。この号では、国際医療福祉大学 教授
田中 繁氏に、その解説(概要)についてご執筆いただきました。

T.基準改正の経緯
 CPSA 0074(簡易便器及び簡易腰掛け便座)は1987年6月3日に制定され、基準制定当時は主
にプラスチック成型品が主流であったが、現在では木製、金属製、電装品付きなどの製品も増え、
形状材質及び機能が大きく変わってきている。このことから、日本健康福祉用具工業会でのポー
タブルトイレ分科会において、製品評価技術基盤機構での評価実験を基に原案作りが行われた。
これを受け当協会のポータブルトイレ専門部会における審議を経て作成した。

U.基準の区分けについて
 従来のSG基準の適用範囲では、簡易便器(ポータブルトイレ)及び簡易腰掛け便座の2つの製品
が含まれていた。しかし、ポータブルトイレと簡易腰掛け便座は構造・用途・使用形態が異なること
からそれぞれ名称を変更し別々の基準を設けた。
・ポータブルトイレ
一般家庭の室内で使用するもので、可搬式で室内の任意の場所で使用できる製品である。最近で
は材質はプラスチック製や木製のもの、高さ調節機能や背もたれ・手すりが付いたもの、電装品が
取り付けられたものなど、多種多様になっている。このことから、新たなポータブルトイレの基準を作
成した。
・簡易腰掛け便座
一般家庭の和式便器にかぶせ便所内で使用するもので、可搬式でなく便所内のみの固定した場所
で使用する製品である。プラスチック成型品が多く、高さ調節機能や背もたれ・手すりが付いたもの
はない。このことから、ポータブルトイレを除いた基準改正を行った。

V.基準の内容について
 参考規格として、SG基準 CPSA 0074(簡易便器及び簡易腰掛け便座)、JIS S 1203(家具-いす
及びスツール−強度と耐久性の試験方法)、JIS S 1204(家具−いす−直立形のいす及びスツール
の安定性試験方法)、JIS S 1032(オフィス用いす)をベースに検討を行った。

・適用範囲について
対象者は主に高齢者が使用するものとした。

1.外観及び構造
(1)仕上げの良好性を規定した。
(2)各部の接合、組み立て等の確実性を規定した。
(3)ポータブルトイレは高さ調節機構を有しているものがあることから、操作性及び確実性を規定した。
(4)ポータブルトイレの背もたれとひじ掛けのすき間に首を挟んだとの報告があったことから、事故再
発防止の観点から首が入らないすき間の項目を設けた。(簡易腰掛け便座は背もたれとひじ掛けが
無いため(3)、(4)は除い た。)

2.安定性
 高齢者が使用する製品であり、安全に使用するために安定性が求められることから、次の実験を
行い検討した。
・床反力計を使用し、実際に人が使用した場合にどのような力が製品に加わるのかを計測し た。
・JIS S 1204の安定性試験を基に、製品実験を行った。

 (1)〜(5)各安定性:JIS S 1204の安定性試験を参考に規定した。
 床反力計実験から安定性項目に必要な検討を行った。その結果、JIS S 1204の安定性試験では
垂直力600Nを加えて、この垂直力の位置に水平力を加えて転倒性を確認するが、通常使用する位
置ではかなりの水平力が加わらない限り転倒に至ることはないことから、JIS S 1032オフィス用いす
と同等の20Nの水平力で安全性を確保できるとして検討を進めた。しかし、予備的実験値では20Nを
上回る現行製品が多かったことから、ポータブルトイレについてはさらに安全性を高めるため再度
検討を行い、ポータブルトイレを使用しての立ち座り動作から水平力を求め、側方安定性は60N、
後方安定性は60N、前方安定性は20Nの値とした。(簡易腰掛け便座はトイレまで行ける者が洋式
便座として使用する製品であることから、各安定性はJIS S 1032オフィス用いすと同等の20Nの水平
力とした。)

3.強度及び耐久性項目について
  JIS S 1203(家具−いす及びスツール−強度と耐久性の試験方法)はISO 7173:1989を基に作成
されており、このISOの基となったイギリスのBS 4875 ( Strength and stability of furniture )の付属書
の中で強度と耐久性を使用用途によって区分しており、家庭用で使用する製品はレベル1〜4として
いる。また、JIS S 1032オフィス用いすではレベル3であることから、強度及び耐久性はレベル3とした。
 強度及び耐久性の試験項目は、BS 4875 の付属書の区分として基本機能を見るための項目として
「座面の強度」、「背もたれの強度」、 「肘部の静的水平力試験」、「肘部の静的垂直力試験」、「座面
の耐久性」、「背もたれの耐久性」であることから、これらの項目すべてを行うこととした。
  また、誤って使用する場合を想定した区分から、「落下試験」を行うこととした。
・強度
(1)座面の静的強度試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。
(2)背もたれの静的強度試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。(簡易腰掛け便座は除く)
(3)ひじ掛けの静的水平力試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。(簡易腰掛け便座は除く)
(4)ひじ掛けの静的垂直力試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。(簡易腰掛け便座は除く)
・耐久性
(1)座面の耐久性試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。なお、評価実験の結果10,000回程度繰り
返し回数を行えば、耐久性の初期性能が判断できることから、950Nの力を座面に12,500回加えることと
した。
(2)背もたれの耐久性試験:JIS S 1203の試験を参考に規定した。なお、評価実験の結果10,000回程度
の繰り返し回数を行えば、耐久性の初期性能が判断できることから、330Nの力を背もたれに12,500回
加えることとした。(簡易腰掛け便座は除く)
・落下試験
JIS S 1203の試験を参考に規定した。
・すべり抵抗試験
フローリングの床等のすべりやすい面で使用する可能性もあることから、実験値を踏まえ容易に滑ら
ないことを規定した。(従来のSG基準のすべ り抵抗値を0.2から約0.3に引き上げた。)
・電気部品
電気部品の安全性を電気用品安全法で定めた表示などで確認することを規定した。
・附属品
附属品の安全性を規定した。
・表示及び取扱説明書
製品に必要な表示事項及び取扱事項を規定した。



 「ポータブルトイレ」及び「簡易腰掛け便座」 のロット認定及び工場等登録・型式確認の事務受付
開始は平成15年1月6日からの予定です。
なお、詳細については、当協会業務部までお問 い合わせください。
《お問い合わせ先》
業務部 黒川
電話:03-3517-5411/FAX:03-3517-5832 /E-mail:h-kurokawa@sg-mark.org



 当協会のSG対象品目は現在127品目ありますが、各品目ごとの認定基準及び基準確認方法を
ご希望の方に頒布していますので、ご利用ください。ご希望の方は、品目名、部数、所属、氏名および
電話番号をご記入の上、FAXまたはE-mail でお申し込みください。申込書を受理しますと、請求書を
同封してお送りしますので、後日、代金の振込をお願いします。なお、代金は、認定基準一部につき
500円で、送料は別途実費をいただきます。
《お申込先》
FAX:03-3517-5831 /E-mail:mail@sg-mark.org




知っ得と、安心。
ー 圧力なべ・かま 〜 省エネ・省時間のなべ ー


                 生活評論家  佐藤順子

 圧力なべ・かま。以前から使われてきた調理器具ですが、一般に使われるようになったのは比較
的最近のことです。
 このなべに適した料理はシチューに代表される煮込みものや玄米、豆などの食材を短時間で柔ら
かく仕上ることができるものです。正月を控えて昆布巻きや棒鱈の煮物などお節料理作りにも活躍
します。私は下準備をしたシチューを電気圧力なべに用意してタイマーをセット。サラダを添えれ ば
これ一品でオーケーとあって忙しいときに重宝しています。

普通のなべとどう違うか

 このなべは、内部は120℃、1.5気圧からそれ以上になるよう設計されています。なべの中の圧力
を高めて水の沸騰点を上昇させるので、中の食品の調理時間をおよそ1/3短縮します。したがって
燃料費も少なくて済むのです。
 構造のうえでは沸騰した水蒸気が外にもれないように造られていて、内部の高圧に耐えるよう材質
はアルミ鋳物や厚手のステンレスなどが使われています。難をいえば普通のなべより重いことでしょう。
市販品はガスこんろにのせて使用する普通のなべタイプと電気圧力なべがあり、これにはタイマーが
付いたものと無いものとがあります。

使い方   
 普通のなべと違ってなべ本体に蓋をしっかり止め付ける必要があります。また内部が高圧になる
ため圧力調整装置があります。
 蓋ははめ合わせ式とスライド式があり、それぞれの取り扱い方は、取扱説明書に従えば簡単です。
圧力調整は蓋にあるノズル孔に「おもり」を取り付けるものや他の方式がありますが、いずれもそれ
ぞれの方式にあった方法で蒸気を完全に放出してから蓋をあけること。               
 おもり式ならば、おもりに触れたとき勢いよく 蒸気が吹き出しそうな気配ならまだ内部圧力は下が
っていないのでそのまま時間をおき、開けるときは重りを傾けるなどして蒸気を完全に放出すること
です。   
 なお、取扱説明書は保存しておき必要に応じて参考にします。

使い方の注意
 蓋はそれぞれの方式に従ってしっかり止め付けること。急いで開けたいときは蓋をしたまま水を
かけ急速に冷やしたあと、それぞれの取扱説明書が指示する方法で蓋をとります。
 使う前に蓋を明るい方向にかざしてノズルが詰まっていないかチェックします。小さな穴が見え
れば大丈夫です。豆など膨脹する食品や、米のように粘り気があるものは特にノズルを詰まらせ
やすい食材です。どんな食材も鍋の容量の2/3程度(豆は1/3)までとすることです。
 使いこなせば圧力なべは時代にマッチした省エネ、省時間につながる調理器具ということがわか
ります。  





    この1年、皆様方にはSGニュースをご愛読いただきますとともに当協会の業務
     にご協力いただき誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
    来る新年が、皆様方にとりまして本年以上に飛躍の年となりますようお祈り申し
    上げますとともに、当協会への変らぬご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
    どうぞ良いお年をお迎えください。