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Communications from CPSA まいにち、あんぜん。
~製品安全協会ブログ~
- 福祉用具
2022年10月3日
介助・介護が必要になるまえに要確認!「福祉用具」の選び方

はじめに
こんにちは!製品安全協会です。 みなさんは、「福祉用具」という言葉をご存じでしょうか? すでに、あなたやご家族が、この「福祉用具」を使用されているかもしれませんし、将来、お使いになることもあるでしょう。 「福祉用具」とは、介助や介護が必要な方の日常生活をサポートするための用具のことです。使用する方の身体を支えなければなりませんから、しっかりとしたものを選ばなければ事故に繋がる可能性が高くなります。ちょっとした転倒がきっかけで寝たきりになったり、命を縮めてしまうことも起こりえます。

今回は、安全・安心に使用できる「福祉用具」を選ぶポイントを、アイテム別に紹介します。
①歩行車
歩行車は、歩行の手助けとなる車輪付きの福祉用具です。 握り手や肘あてなどで体重を支えながら、安全に歩くことを補助します。

歩行車は折りたためるタイプのものが多くあります。使用しないときにはコンパクトになるので便利ですが、操作をする際に指が挟み込まれやすくなっていないかを確認してください。 また、体重をかけただけで簡単に折りたたまってしまうと、転倒しやすくなります。握りや肘あてにもたれた拍子に折りたたまらないかもチェックしてください。 歩行車の中には、座ることができるものもあります。そのような製品は、座面が使用する人の体重に十分に耐えられる強度があるかを確認する必要があります。 また、歩行車はレンタルされることが多い製品です。だから、製品がきちんとメンテナンスされていることがとても大切です。 製品安全協会が作るSG基準は、歩行車全体や各種パーツの強度などを定めているだけでなく、メンテナンスに関する情報を表示することも義務付けています。
②棒状つえ
棒状つえは、より安定して歩行できるように、補助的に使用する製品です。ある程度体重を預けて使うことも想定した歩行車と比べるとシンプルですが、そんな棒状つえにも安全・安心に使用するために確認しておきたいポイントがあります。

もっとも重要なのは、やはり強度です。つえの支柱部分はもちろん、使用者が握るグリップ部分などが、簡単に破損したり亀裂、変形が生じてしまわないかを確認する必要があります。 とはいっても、それは一定期間使ってみないとわからないものです。そのためにSGマークがあります。グリップ部分や支柱などが、十分な強度を有していると確認できる製品にだけがSGマークを貼ることができます。 SG基準は強度に関することだけではありません。つえ先についているゴムが、簡単に滑らないような性能を有しているか、地面の隙間などにハマりこまないような形であるかなどもチェックしています。 風合いや使い心地で木製のつえを選ばれる方は少なくありません。木製のつえでは、グリップや支柱が変形しにくく、長期間十分な強度を保つことができることが大事です。そのため、SG基準は、材質の含水率が15%以下であることを定めています。
③入浴用いす
入浴用いすは、身体を洗ったり、シャワーを使ったりする際に用いる福祉用具ですが、主にチェックしたいのは、安定性と滑り抵抗の2点です。

入浴用いすは、前方、後方、側方の3方向でぐらつきがないことが必要です。SG基準では、背もたれに体重をかけた場合に後方に倒れやすくなっていないか、ひじ掛けや握り部分がある場合は、上下に力が加わっても変わらず安定しているかも確認しています。 座面や背もたれ、ひじ掛けや握りに対しては、耐久テストも実施しています。それぞれに破損や変形、はずれが生じないかを細やかに検証します。 滑りにくさを確認するテストは、ボディーソープやシャンプーに含まれるせっけんのような成分を含んだ水で行います。つまり、風呂場での実際の入浴用いすの使われ方を考慮して、滑りやすい条件で試験をしているのです。 脚部などに金属が使用されている場合は、浴室内で長く使用することを考慮し、さびにくい防素材を使い、また、ケガをしないように表面に突起や鋭利な部分ができないように表面加工することを求めています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。 使用者の身体を支える福祉用具は、強度だけでなく、滑らないことや、身体の挟み込みが起こらないことも重要です。 製品安全協会では基準を設けるだけでなく、その見直しも随時行っています。 福祉用具を選ぶ際も、ぜひSGマークを目印にしてください。