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第60号 設立49周年にあたって
一般財団法人製品安全協会
理事長 中山隆志
新型コロナ感染症が私たちの暮らしや仕事を変えてから、あるいは、既に進行していた変化を顕在化させてから、早3年近くが過ぎようとしています。
この間、私たちはさまざまな変化を経験しました。その一つとして、無店舗型販売の利用の更なる拡大が挙げられます。消費者が直接商品に手を触れることなく、販売員から使用方法の説明も受けずに商品を購入する機会がますます増えているとすれば、安全・安心への影響が気になるところです。
私たち製品安全協会が、消費生活用製品の安全性確保をミッションとして設立されてから、おかげさまで49年が経ちました。
製品の安全性については、この49年間で各種の法令の整備が進み、事業者の皆さまも高い意識をもってその確保に取り組んできたものと承知しています。
しかしながら、暮らしの中で用いられる製品が多様化している中、消費者が製品の安全性について自ら判断することはより難しくなっています。
製品の安全性について、消費者に分かり易く発信していくことが、これまで以上に求められていると考えます。
また、安全・安心の確保は、人材育成やESGなどと同じく、数値化には馴染まないものの、企業価値の評価において考慮され得る重要な要素です。こうした観点から、投資家などに対しても、安全・安心に向けた企業の姿勢、取組みを端的に示していくことが求められます。
50年近い歴史を持つSGマークは、こうした事業者による情報発信をお手伝いできる有力なツールです。
SGマークは、安全・安心への取組みを分かり易く発信するために活用したいとの事業者のニーズや、製品の安全性や企業の姿勢を知りたいとの消費者などのニーズに応えるべく、現在、100を超える品目に対応しています。最近では、あごガード付き野球ヘルメット、ゆたんぽ、非木製バット、歩行車、野球及びソフトボール用フェースガード、災害用プライベートテントなどの安全基準(SG基準)の制定・改正に取り組んできました。
しかしながら、この他にも、私たちが把握し切れていないニーズはあるでしょう。
私たち製品安全協会としては、安全な製品を使いたいとする消費者の声や、安全・安心への取組みを分かり易く発信し、差別化を図りたいと考える事業者の思いにお応えし、両者をつなぐべく、SGマークの対象品目の拡大、見直しに引き続き努めて参ります。
「こんな品目にSGマークがあったら。」といったご要望などございましたら、遠慮なくお寄せください。
ところで、最近、国を代表するメーカーの元幹部の方から、「このところ、「安全第一」との看板、標語を見ることも少なくなったように思う。」とのご指摘をいただきました。安全・安心に対する意識は社会全体として高まったとされていますが、油断に繋がっていないかとの疑念は残ります。
この指摘を客観的に評価し得る十分なデータは持ち合わせていませんが、安全・安心は、私たち一人一人がそれぞれの立場で意識し続けない限り、確保できません。
その一助となるよう、SGマークをより一層お役立ていただくべく、製品安全協会として努めて参ります。
引き続きご支援、ご協力の程お願い申し上げます。
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・2022/7/21 子どもの転落事故に対しての注意喚起について
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2022年度