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第197号 なぜベッドインベッドやバンパーに安全基準がないの?米国では使用が禁止されています

現在、製品安全協会においては、政府が進めている乳幼児製品の強制規格化の動きを踏まえて、特にリスクが高いと考えられる製品群の中で睡眠用製品について基準の制定・改正を行うために、乳幼児睡眠用製品専門部会を設置して検討を進めていますが、その対象製品は、小型のベビーベッド(概ね生後5か月までの乳児専用のベッド)、ベッドサイドスリーパー、ベッドガード、および、ベビーベッド(基準見直し)です。検討対象には、ベッドインベッド(大人用ベッドの上に設置して使う乳児用の寝具)やバンパー(ベッド周囲のクッション) は入っていません。それは、これらの製品の使用に伴うリスクを安全基準で対応することが難しいためです。

ベッドインベッドは、側壁が柔らかに作られたものがほとんどであり、乳児が姿勢を変えたときに口や鼻を塞いで窒息するリスクがあります。また、添い寝している大人がベッドに覆いかかって子供を圧迫し、窒息させるリスクがあります。ベッドという狭い空間の中で使用するため、乳児が製品ごと転落するリスクもあります。
実際に、国内においてベッドインベッドでの事故事例が報告されています。また、大人のベッドからゼロ歳児が転落する事故は多く、頭蓋骨折や頭蓋内損傷などの重篤な事故も発生しています。

このようなリスクに対して安全基準で対応することは困難です。米国では、ベッドインベッドは使用が禁止されています。また、バンパーは、乳児を優しく囲んで側壁にごつんと当たることを防いだり、ベッドからの落下を防ぐことが目的ですが、ベッドインベッドと同様に乳児が窒息するリスクがあります。この製品も米国では使用が禁止されています。

このように、周りが柔らかいため、一見、乳児に優しいように見える製品は、乳児が口鼻を塞いで窒息するリスクがあります。また、どのような製品を使用する場合でも、大人のベッドで乳児と一緒に寝ることは、窒息・転落などのリスクを生じさせてしまいます。一人でベッドから乗り降りができるようになるまで(18か月以降)は、必ず、ベビーベッドで寝かせるようにしましょう。

 

ベッドインベッドの使用における事故事例(日本小児科学会)
日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会  Injury Alert(傷害速報)(令和 7 年 5 月 1 日)

ベッドからの乳幼児の転落についての注意喚起(消費者庁)
「0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!-頭部を負傷する事故に加え、窒息事故も報告されており、ベビーベッドの安全基準が見直されています-」

 

2025年度