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第199号 幼児用ベッドガードのSG基準改正について
現在、SG基準の制定・改正を検討している乳幼児睡眠用製品のなかに、幼児用ベッドガードが入っています。この製品は、大人のベッドの側面に設置して子どもがベッドから落ちることを防ぐ製品ですが、製品がしっかりと据え付けられなかったためにマットレスとベッドガードの隙間に挟まり窒息する事故や、転落して怪我をするなどの事故が発生しています。
この製品は、一人でベッドに乗り降りできる月齢の幼児を対象とした製品であり、概ね18か月以上が適用対象ですが、そもそも、欧米の当局は、リスクがあるためにこの製品の使用は推奨していません。しかしながら、事故のほとんどはゼロ歳児で発生し、次いで、一歳児となっています。ゼロ歳児は、ベッドから転落した際に骨折などの大けがをするリスクが高いだけでなく、ベッド上でベッドガードとマットレスの間の隙間に挟まれたり、親の身体で圧迫されるなどして窒息するという大きなリスクがあります。
各国の安全基準は、このような誤使用も念頭に入れて制定されていますが、それによってゼロ歳児でも安全に使えるということにはなりません。あくまでも、ゼロ歳児は、ベビーベッド他、安全性の高い睡眠用製品を使って寝かせてください。
今回のSG基準改正においては、ベッドレールとマットレスの間に危険な隙間を容易に生じさせないことの確認、および、誤って組み立てられると十分な強度がでない可能性があることから、誤組み立てを防ぐ対策を盛り込むことが主要な検討ポイントとなります。
(ベッドガードの事故事例)
日本においては、2009年7月から2023年5月の間で、報告されている死亡事故が4件、重傷1件、軽症1件。いずれもゼロ歳児でマットレスとの隙間に挟まった案件だった。(事故情報DB等による製品安全協会調べ)
米国においては、2000年1月~2010年3月の間に132件事故があり、死亡事故は13件。うち9件がゼロ歳児。ベッドガードがずれてマットレスとの間に挟まった案件など。ベッドガードのずれによる事故が半数を占めていた。(CPSC16CFR Part 1224から)
2025年度