E-mail newsletterメルマガ配信

第202号 低月齢乳児専用ベッド(バシネット)の基準制定について

製品安全協会において進めている乳幼児睡眠用製品の基準制定・改正のなかに、低月齢乳児専用ベッド(バシネット)があります。これは、出生後から、自分で座ったりつかまり立ちをする前(概ね生後5か月)の乳児専用の製品で、一般的な乳幼児用ベッドに比べて小型で場所をとらず、側面を下げて大人のベッドにつけてベッドサイドスリーパーとして使える製品もあります。欧米では強制規格が設けられていますが、日本ではまだ安全基準がなかったため、基準作成作業を進めているところです。

欧米の基準では、3つの主要な要件を定めています。

そのひとつは、ベッド部分は平らで安定しており、リクライニング角度が10度以下というものです。生まれて間もない赤ん坊は、自分で、自由に寝返りをうつことができません。リクライニング角が大きくなると首の向きを変えるために強い力が必要となり、危険な姿勢から脱出することが難しくなるからです。授乳や赤ん坊をあやすためにリクライニングは便利に見えますが、このような危険があることをしっかり認識する必要があります。

二つ目は、ベッド面が一定の固さを有することです。ベッドがふかふかの方が赤ん坊に優しいように思いがちですが、赤ん坊がうつ伏せになったときに口と鼻を塞がれる危険があります。ベッドが固い方がそのようなリスクが小さくなります。

そして、三つ目は側壁の高さです。まだ動ける範囲が限られている低月齢の赤ん坊ですが、側壁を乗り越えることがないように十分な高さが求められます。概ね、ベッド面から20cmと定められています。ただし、自分で座ったりつかまり立ちをするようになると、この高さでは十分ではないため、ただちに乳幼児用ベッドに移さなければなりません。

このほかに、手の届く範囲に指はさみのリスクがある隙間が生じないこと、危険な突起やエッジがないことなどの要件、および、十分な強度、安定性が求められます。

専門部会においては、バシネットについては今年内に基準を制定すべく作業を進めています。ご意見等がございましたら、協会HP問い合わせフォームからご連絡ください。

 

2025年度