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第217号 安全基準で参照する乳幼児の寸法等のデータについて

乳幼児製品に関する安全基準を作るには、その製品を使用する乳幼児の寸法データを考慮する必要があります。その場合、該当製品の使用に伴うリスクがもっとも大きな乳幼児のデータを参照することとなります。つまり、製品の強度や高さなどの寸法では、その製品の適用対象乳幼児でもっとも重いグループのデータ、及び、最も背の高いグループのデータを参照します。逆に、隙間への身体の挟み込みがリスクとなる場合には、適用対象乳幼児でもっとも小さなグループのデータを使うこととなります。また、内外で、子どもの成長や体形が有意に異なる場合は、その違いを考慮する必用があります。 

現在、協会において、乳幼児が使用する製品の基準作成・改正作業を進めていますが、上記のような観点で内外のデータを比較した結果、一部の例外を除いて、ISO(欧州)の基準が参照するデータを活用して特段の問題がないことが確認できました。具体的には、3―6カ月児のデータはISO(欧州)の方が日本人のデータよりも小さく、逆に、概ね1歳以上となると、日本人のデータの方がISO(欧州)のデータより小さいことが分かりました。基本的に、小さい子どものデータを参照する場合は、適用月齢が小さな子どもであり、また、おおきな子どものデータを参照する場合は、月齢が大きな子どもとなります。このため、一般的に、ISO(欧州)のデータを参照すれば、日本人のデータを参照する場合に比べて、同等ないしそれ以上の安全性が確保できることが確認できました。 

海外の基準との整合性を確保することは、無用な技術障壁を回避することにもつながります。このため、今後、個々の製品において、その適用対象児や製品の使われ方の違いの有無などを十分に確認の上、原則、欧米の基準との整合性を確保する方向で安全基準の制定・改正を進めることとします。 

なお、詳細は、以下の説明資料をご覧ください。 
乳幼児用製品の安全基準で参照する寸法データについて 
乳幼児製品安全基準で参照する⾝体⼨法データについて 

 

2025年度