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第218号 乳幼児製品の小部品についての安全基準

子どもが小さな部品を飲み込んでのどを詰まらせ、窒息する事故がしばしば発生し、死亡や重篤な傷害につながっています。このため、そのようなリスクを防ぐために、玩具や乳幼児製品に関しては小部品について共通した安全基準があります。 

生後36か月未満の子どもが使用する玩具に関しては、子どもがのどに詰まらせる可能性のある小部品として保守的に定められたサイズは、国際規格(ISO8124-1:2022(玩具の安全性))、米国規格(CPSC, 16 CFR Part 1501ASTM F963-23(玩具の安全性))、欧州規格(EN71-1:2023(玩具の安全性))、及び、日本玩具協会のSTマークで共通しており、直径31.7mm(1.25インチ)、長さ57.1mm(2.25インチ)の円筒にすっぽりと入ってしまうものと定義されています。育児用品においても、この大きさとなるような小部品(ねじ、キャップ、飾り部分他)が簡単に外れたり脱落しないことが要件となっています。 

外れにくさに関しては、米国では、その製品の適用対象となる子どもが部品を引っ張ったりちぎったりできる力の大きさを参照した基準となっています。具体的には、引っ張り、トルク試験他について、0-18カ月までの子ども、18-36か月までの子ども、36-96カ月までの子どもを対象とした基準値を分けています。例えば、生後5か月児程度までが適用対象となる低月齢乳児用ベッドでは0-18カ月の子どもを対象とした基準値を、生後24か月児までの使用が想定されている乳幼児用ベッドでは18-36カ月の子どもを対象とした基準値を採用しています 

他方、欧州及びISOにおいては、引っ張りに関しては、大きな部品の方が引っ張りやすいことを考慮し、6mm以下のものとそれ以上のものについて違う基準値を定めています。ST基準はこれらに整合しています。 

米国、欧州いずれの基準も保守的(安全)に定められた基準値ですので、SG基準の制定・改正においては、原則、米国基準、欧州基準のいずれかを満たすものは取り込む方向で進めています。 

このように、乳幼児製品に関する安全基準は小部品についても十分な配慮を行ったものとなってはいますが、そのような製品の使用する場合でも、子どもの近くに子どもが口に入れやすいようなものを置かないよう、あるいは、そのようなものが外れやすいようなものを置かないように、常に、十分ご注意ください。 

2025年度