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第223号 低月齢乳児用ベッド(バシネット)のSG基準ができました
最近、ネットや売り場で目にすることが多くなった小型のベビーベッド。スペースをとらず赤ん坊の世話がしやすいことから注目されるようになりました。
製品が小さいものが多いですが、サイズではなく赤ん坊の発達段階に注意する必要があります。つまり、この製品は、自分で座る、つかまり立ちをする、あるいは、手と膝で立ち上がるようになる前の乳児(概ね生後5カ月まで)を対象としており、そのため、側壁の高さが低くなっています。自分で座るなどができるようになれば、側壁を越えて転落するリスクが生じるため、この製品を使い続けてはならず、乳幼児用ベッドに移し、床面を最下位に降ろした状態で使うなどの対応が必要となります。
このため、適用対象を明確にするために、SG基準においては、「低月齢乳児用ベッド(バシネット)」という名称としました。ちなみに、「バシネット」は、主として米国で使われている呼称で、製品を呼びやすくするための別称として用いています。
「低月齢乳児用ベッド」の設計上の安全のポイントは、3つあります。
一つ目は、リクライニング角度が10度以下であることです。まだ、自由に寝返りを打てない月齢なため、何かのはずみでうつ伏せになり、側壁や、マットレスとの隙間に口鼻を塞ぐような体勢になっても簡単に戻ることができません。角度が付いていると、首を動かすのにより大きな力が必要となって、危険な状態から抜け出すことが難しくなってしまうからです。
二つ目は、床面が平らで適度な硬さがあることです。これも、うつ伏せの姿勢になったときの窒息のリスクを低減するための要件です。
三つめは、側壁の高さが約20cm以上あることです。これは、一人座などができるようにならない限りにおいては、この高さを乗り越えて転落するリスクが低いからです。
また、使用上の重要な注意の一つとして、掛け布団など柔らかい寝具は、口鼻を塞いだり首や体に巻き付いて赤ん坊が窒息死することがあるので、できる限り使用しないようにしてください。
SG基準は、2025年12月に新設されました。2026年3月初めから事務受付を開始すべく準備中です。便利な製品ですが、赤ちゃんの発達段階をよく見て、注意して安全に使ってください。

2025年度