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第237号 ベビーカーの安全性とは?(その2:安全基準の要件とは?)
ベビーカーは、使用に伴う事故が少なくない製品のひとつです。令和元(2019)年に国民生活センターが行った調査※によれば、2014年度以降、5年間に、336件の事故が医療機器ネットワーク事業に報告されており、ベビーカーごと転落したものが104件、乳幼児が転落したものが184件でした。また、男女千人を対象としたアンケート調査では、29%が転倒・転落を経験したと答えています。加えて、内外で、乳幼児が可動部に指をはさみ指先切断などの重傷を負った事例があります。米国CPSC(2024)の報告では、ベビーカー他の搬送製品での事故件数は、年間6,600-7,000件、死亡者数は10-12人と推定されています。また、14カ月の幼児が可動部位の隙間に首を挟み窒息死するという事故も発生しています。
このようなリスクを踏まえ、安全基準が求める要件は多岐にわたります。基本的な強度・耐衝撃性などに加えて、走行安定性(蛇行や片寄りがなく、転倒しない)、衝突強度、ストッパが確実に機能することの確認などが求められます。乳幼児の手足や胴体がベビーカーの可動部などにできる隙間に挟み込まれない構造であることも重要な要件です。シートベルトは、しっかりと乳幼児を保持することができなければなりません。ベビーカーに使われる材料は有害化学物質を含まず、金属材料は適切な防錆処理が施されていなければなりません。乳幼児の手が届く範囲に、乳幼児が飲み込んだときに喉を詰まらせる恐れがある小部品がない、あるいは、外れないことも要件です。
また、表示、取扱説明書にも、適用年齢の他、指挟みの注意、シートベルト着用、留め具がかかっていることの確認、後方転倒注意(ハンドルにものをかけると転倒しやすい)、乳幼児を乗せたままベビーカーを持ち上げて移動しないなどの注意が記載されています。うっかりや慢心が事故につながるためです。
次号では、SG基準が定めている、日本特有の使用状況を踏まえた安全の要件についてご紹介します。
※国民生活センター公表資料「ベビーカーの転倒による乳幼児の事故に注意‐ベビーカーから転落し、頭部にけがを負い入院する事例も!‐ 」(令和元年12月12日)

*イラストは、生成AIで作成しました。
2025年度