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第238号 ベビーカーの安全性とは?(その3:日本の基準は欧米とどこが違う?)
前号で、ベビーカーの安全要件が多岐にわたることをご説明しましたが、今回は、日本(SG基準)と欧米の安全要件の違いをご紹介します。
同じベビーカーといっても、日本での日常の使われ方が欧米とかなり異なることがあります。そのひとつは、一日の中で折り畳んだり開いたりすることが頻繁に行われること。通園、通院、交通機関の乗り降り、そして、スペースの制約があれば自宅でも折り畳んで置いておくことになります。欧米では、折り畳むことができるベビーカーであっても、基本的に開いたままで使用します。また、日本では、遠出の際に、都市部であれば電車を使うことが多くなります。欧米では、遠出の際は車を使うか、ベビーシッターに任せるということが多いようです。
子どもをベビーカーに乗せたときに、子どもの手の届く範囲に指はさみのリスクがある隙間が生じないことは、日米欧とも共通の要件です。しかし、日本では、これに加えて、親がベビーカーを操作するときに子どもがその傍にいることを想定し、製品全体に指はさみのリスクがないことを求めています。育児において、ベビーカーを操作するときに子どもが親やベビーカーから離れないことは良くあることで、実際に、事故も起こってきたからです。製品全体においての対応が困難な場合には、指はさみのリスクがある場所にわかりやすく警告表示を行うことが求められます。
日常的に公共交通機関を使う日本の状況を踏まえ、ベビーカーに子どもを乗せて電車に乗降する際、万一、閉じかけた扉にベビーカーの脚部が挟まれても、それが検知されて扉が開くような構造であることが求められます。実際に、国内、アジアで、ベビーカーが扉に挟まれて引きずられる事故が発生しているからです。試験には試験用車両扉を使い、ベビーカーの脚が挟まった状態で扉の開閉操作をして確認を行っています。
このように、同じ製品でも、日本での製品の使われ方を踏まえ、それに伴うリスクにしっかりと対応するのがSG基準の基本方針となっているのです。次号では、ベビーカーに2つのSG基準があることとその理由についてご紹介します。

*イラストは、生成AIで作成しました。
2025年度